業務の引き継ぎが不完全になり、同僚に負担が集中する。
これらのデメリットは、事前準備と誠意ある対応で十分カバーできる。

実は、ほとんどが深刻な問題じゃありません。
はじめに
ブラック企業で働く多くの人にとって、退職代行サービスは最後の頼みの綱かもしれません。
そもそも退職代行サービスとは、本人に代わって専門業者や弁護士が会社へ退職の意思を伝えるサービスですnli-research.co.jp。
特に若い世代で認知度が高く、2023年に日本で7,749人を対象に行われた調査では、退職代行サービスの認知度は72%にも達し、実際に利用した人は全体の2%(20代では5%)と報告されていますnli-research.co.jp。
利用理由としては「退職を言い出しにくかったから」(50%)が最多で、「すぐに退職したいから」(44%)、「人間関係が悪かったから」(32%)などが続いていますnli-research.co.jp。
一方で、利用しなかった理由のトップは「退職の意思は自分で会社に伝えるべきだと思うから」(44%)で、次に「金銭的な負担があるから」(26%)、「お世話になった会社や同僚に失礼だから」(24%)が挙げられましたnli-research.co.jp。



つまり、多くの人が便利さと後ろめたさの間で葛藤しているのです。
私自身、20代から30代にかけて複数のブラック企業で働いた経験があります。
180日間連続出勤という違法な長時間労働を強いられ、心身ともに限界を迎えたこともありました。
上司から車内で暴言を浴びせられ、それをボイスレコーダーで録音したり、深夜まで社長に飲みに付き合わされ二日酔いで倒れた際に「俺に恥をかかせるな」と怒鳴られたこともあります。



社長に罵倒され同僚がズボンを下ろされるといった異常なパワハラ現場も目撃しました。
そんな経験をしてきたからこそ、「自分一人ではとても退職を切り出せない」という状況に追い込まれる気持ちは痛いほど理解できます。
実際、前述の調査結果が示すように「言い出せない」ことが退職代行を使う最大の理由となっているのですnli-research.co.jp。
では、その退職代行サービスにはどんなデメリットがあるのでしょうか?
メリットばかりが語られがちですが、利用後に思わぬ落とし穴に直面するケースもあります。
ここでは退職代行サービスのデメリット10選を詳しく解説し、それぞれに対する対策も提案します。



ブラック企業から脱出したいと考えるあなたが後悔しないために、ぜひ参考にしてください。
退職代行サービスのデメリット10選
それではさっそく、退職代行サービスの主要なデメリットを一つずつ見ていきましょう。
職場との人間関係から法的リスクまで、幅広い観点で計10項目を挙げます。



それぞれに対策も示していますので、自分の状況に照らし合わせて確認してください。
1: 職場との関係が悪化する可能性
退職代行を利用すると、会社や同僚との関係が悪化するリスクがあります。
本人が直接挨拶や感謝を伝えずに突然いなくなる形になるため、残された側は「裏切られた」「礼を欠いている」と感じるかもしれません。
特に長く勤め、お世話になった上司・同僚がいる場合、直接会って退職の挨拶をしないことに後ろめたさを感じる人も多いでしょう。
実際、退職代行を利用しなかった人の24%が「会社や同僚に失礼だから」という理由を挙げていますnli-research.co.jp。



退職代行を使えば職場との関係は基本的に断絶され、その後顔を合わせづらくなるのが普通。
さらに、退職代行による退職は会社側にも衝撃を与えます。
突然の代理連絡により、上司は



「直接言ってくれなかった」
とショックを受けたり、同僚が動揺するケースもあります。



特に少人数の職場では、「なぜ本人が来ないのか?」と不信感を抱かれ、人間関係の亀裂を残す可能性があります。
対策
可能であれば感謝の気持ちを別の形で伝えることを検討しましょう。
退職代行業者に依頼する際、



「お世話になった方々へ自分の言葉で感謝を伝えてほしい」
とお願いし、メッセージを託すこともできます。
また、退職後にメールや手紙でお礼とお詫びを伝えるのも一つの方法です。
直接会うのが難しくても、誠意あるメッセージを残せば、相手も「事情があったのだろう」と理解してくれるかもしれません。
特に仲の良かった同僚には、個別に連絡を取って事情説明と感謝を伝えることで、人間関係の修復を図れます。
「礼儀を尽くす」ことが関係悪化のリスクを和らげるポイントです。



それでも関係が途切れてしまうこともありますが、自分なりに筋を通しておけば後悔も少なくなるでしょう。
2: 引き継ぎ不備による業務への支障
退職代行サービスを利用すると、業務の引き継ぎが十分に行えない恐れがあります。
通常、退職前には後任への引き継ぎ期間を設け、担当していた仕事のやり方や進捗状況を共有するものです。
しかし代行を使って急に退職すると、その引き継ぎが不完全になりがちです。



その結果、残ったメンバーで業務をカバーする際に混乱が生じたり、取引先への対応が滞ったりする可能性があります。
東京商工リサーチが2025年に6,653社を対象に行った企業調査では、退職代行を利用した社員が退職したことで「退職者の業務をカバーするため残業が発生した」と答えた企業が31.1%に上りましたtsr-net.co.jptsr-net.co.jp。
また23.4%の企業が「引き継ぎが円滑にできず、商品・サービス提供に影響が出た」と回答しておりtsr-net.co.jp、引き継ぎ不備が実際に業務へ支障を及ぼしている実態がうかがえます。
特に専門的な知識が必要な仕事や担当者しか知らない案件を抱えていた場合、突然の退職は職場に大きな負担となるでしょう。



「あの人じゃないと分からない仕事が残ったまま退職された…」という状況は、会社にとっても大きな痛手です。
対策
事前に可能な限り引き継ぎ準備を行っておくことが重要です。
退職代行を依頼する前に、自分の担当業務の手順書や進行中プロジェクトのメモを作成し、同僚が後から見ても分かる資料を用意しましょう。



例えば、取引先リストや業務マニュアル、進捗状況が分かるドキュメントなどを整理して共有フォルダに残しておくと、残るメンバーの負担軽減につながります。
また、退職代行業者を通じて上司宛てに引き継ぎ資料を送付してもらうこともできます。
可能であれば退職通知後も法律上の2週間の在職期間を活用し、その間にメールやクラウド上で引き継ぎ事項を伝達するのも有効です。
こうした対策によって、「引き継ぎゼロ」の状態を避け、会社への影響を最小限に抑えられます。



準備を十分に行っておけば、自分自身も「仕事を放り出してしまった」という罪悪感を和らげることができるでしょう。
3: 同僚の負担増加と士気低下
引き継ぎ不備と関連しますが、退職代行による突然の退職は残った同僚たちに大きな負担を強いることになります。



もちろん、クソブラックだったのなら知ったこっちゃありませんが…。
人手が急に減ることで、一人ひとりの業務量が増え、場合によっては残業や休日出勤でカバーしなければならなくなるかもしれません。
前述の東京商工リサーチの調査でも、約3割の企業が退職代行利用者の退職により他の従業員の残業が発生したと報告していますtsr-net.co.jptsr-net.co.jp。



同僚からすれば、「結局自分たちにしわ寄せがきた」と感じてしまい、あなたへの不満や怒りにつながる可能性があります。
さらに、急な退職が職場にもたらす影響として職場の士気の低下も指摘できます。
突然の離脱劇を目の当たりにした他の従業員が動揺したり、



「自分たちの職場環境はそこまで酷かったのか…」
とネガティブな気持ちになるケースもあります。
調査でも14.0%の企業が「従業員の士気が低下した」と回答していますtsr-net.co.jp。



退職代行を使われた側の心理として、「自分たちは信頼されていなかったのか」「会社への不満を放置していた管理側にも問題があるのでは」と組織全体のモチベーションが下がるとの指摘があります。
対策
同僚への配慮を忘れないことが大切です。



※『配慮したい』と思える人間関係の場合。
直接会って謝罪できなくとも、例えば退職代行の連絡文に「急な退職でご迷惑をおかけします」など一言添えてもらうだけで印象は違います。



また、親しい同僚には個別にSNSやメールで「残りの業務をお願いしてしまってごめんね」という気持ちを伝えておくのも良いでしょう。
さらに、業務引き継ぎの対策(デメリット2の対策参照)を十分に行うこと自体が同僚の負担軽減につながります。
有給休暇の消化などで実質的に即日退職する場合でも、2週間の法定期間中はメールでフォローするなどできることはあります。
「逃げるように去る」のではなく、出来る範囲で誠意を見せることが大事です。
それでも同僚に負担をかけてしまう事実は残りますが、後からでも埋め合わせできるところはしましょう。
例えば退職後に改めて



「大変だったよね、本当にありがとう」
と感謝を伝えるだけでも、相手の心象はかなり違ってきます。
職場の士気については、個人では限界がありますが、最後に残す言葉を前向きなものにする(「皆さんのおかげで成長できました」など)ことで、ネガティブな空気を多少なりとも和らげることは可能です。



自分勝手に辞めたと思われないよう配慮ある退職を目指しましょう。
4: 転職活動への影響
退職代行を使った退職は、今後のキャリアや転職活動に影響が及ぶ可能性があります。
特に次の転職先の企業がその事実を知った場合、採用担当者にマイナスの印象を与えるリスクは否定できません。



「困難から逃げた人」「責任感に欠ける人」と見なされる懸念があるからです。
実際、企業側も退職代行の広がりを受けて採用時のチェックを厳しくする動きを強めていますtsr-net.co.jptsr-net.co.jp。
東京商工リサーチの企業アンケートでは、20.8%の企業が「応募者の転職回数や職歴をより厳格に見極めるようになった」と回答し、10.2%が「応募者のリファレンスチェック(前職の勤務実態確認)をするようになった」と述べていますtsr-net.co.jptsr-net.co.jp。



つまり、退職代行の利用経験が直接問われなくとも、短期間で辞めている経歴や職歴の空白などから「もしかして…」と察され、選考で不利になるケースも考えられます。
さらに一部では、「退職代行を使った人は今後採用しない」と明言する企業経営者の声もありますtsr-net.co.jp。
これは極端な例かもしれませんが、少なくとも採用側がネガティブに捉える可能性があることは意識すべきでしょう。
また、退職代行利用者自身も



「この辞め方で次の会社にどう説明しよう…」
と不安を抱えることがあります。



履歴書上は普通に「一身上の都合」で退職と記載するだけでも、面接で深掘りされた際に動揺してしまうかもしれません。
対策
転職活動時の説明戦略をあらかじめ考えておきましょう。
前職を辞めた理由について聞かれた場合、退職代行を使ったこと自体を正直に言う必要はありません。
など、差し障りのない範囲で事実を伝えつつ、自分にも改善すべき点があったことを簡潔に付け加えると誠実な印象になります。
ポイントは、次の職場では長く貢献したいという意欲をしっかり示すことです。



「前職では環境が合わず短期離職になってしまいましたが、その反省を踏まえて御社では粘り強く頑張りたいと考えています」
のように前向きに語れば、採用側も理解を示してくれるでしょう。
また、最近はリファレンスチェック(第三者機関による前職調査)を導入する企業もありますtsr-net.co.jp。
前職の上司などに悪評を流されるリスクを下げるため、在職中に誠実な仕事ぶりを貫き、「あなたの人格や能力まで否定するような悪口は出てこない」状態を目指すことも地味に大切です。



万一、前の会社が転職先にネガティブな情報を伝えた場合でも、客観的な成果やスキルを示すことで評価を覆せるよう、資格取得やポートフォリオ作成など自己研鑽にも努めましょう。
加えて、転職先選びにも注意が必要です。
次こそブラック企業に当たらないよう、面接時に職場環境をしっかり確かめたり、社員の口コミ情報を調べたりすることをお勧めします。
短期離職を繰り返すとどのみち選考で不利になりますtsr-net.co.jpから、次は腰を据えて働ける会社を選ぶことが、結果的に経歴への悪影響を減らす一番の対策と言えるでしょう。
5: 利用料金など経済的負担がかかる
退職代行サービスを利用するには費用がかかる点もデメリットです。
自分で退職を伝える場合はもちろん無料ですが、代行業者に頼むと相応のサービス料を支払わねばなりません。



一般的な退職代行の相場は約3万円前後と言われていますnli-research.co.jp。
実際、多くの業者が税込み2〜3万円台の定額料金を設定しており、中には即日対応や追加オプション込みで3.5万円以上となるケースもあります。
アルバイトをしているような若い方や、貯金の少ない方にとって、数万円の出費は決して小さくありません。



前述の調査でも、退職代行を使わなかった理由の2位に「金銭的な負担」が挙げられておりnli-research.co.jp、費用面のハードルを感じる人は多いようです。
さらに場合によっては、会社から離職票などの書類を受け取る際に郵送費用を自分で負担したり、貸与物の返却に送料がかかったりすることもあります。
退職代行サービスの費用以外にも、無収入期間の生活費や転職活動費(履歴書の写真代や交通費など)が発生することも考えておきましょう。
特に退職後すぐに転職先が決まらない場合、失業給付を受け取るまでの間は自己資金で生活しなければなりません。



そうした金銭面の不安も含め、「退職代行を使いたいけどお金が…」と二の足を踏む人がいるのです。
対策
費用面の計画を立てておくことが肝心です。
まず、退職代行サービスごとに料金体系やオプションを比較し、信頼できる範囲で最もコストパフォーマンスの良い業者を選びましょう。



例えば、「追加料金一切なし」「成功保証あり(退職できなければ返金)」といった業者も存在します。
労働組合系や弁護士運営のサービスでは3万円前後が多く、民間企業運営でも相場は同程度ですが、中には極端に安価なところや高額なところもあるので注意が必要です。
以下に退職代行サービスの種類別の比較を示します。



サービスの運営主体によって費用や交渉可能範囲が異なるため、特徴を把握して自分に合ったタイプを選ぶ参考にしてください。
退職代行サービスの種類別比較表
退職代行サービスには大きく分けて「民間企業運営」「労働組合運営(ユニオン)」「弁護士運営」の3種類があります。



それぞれの違いを比較すると次のようになります。
運営主体 | 民間企業型代行サービス | 労働組合型代行サービス | 弁護士型代行サービス |
---|---|---|---|
交渉権限 | 退職意思の伝達のみ(会社との交渉不可) | 労働組合法に基づき会社と団体交渉が可能 | 弁護士資格により会社と交渉・法的手続き可能 |
違法リスク | 交渉に踏み込むと非弁行為(違法)になる恐れtoben.or.jp | 適法(労組の正当な団交権行使として合法)kigyolog.com | 適法(弁護士業務の範囲内) |
対応範囲 | 退職連絡代行、書類の受け渡し調整など ※有給消化や未払い給与請求の交渉は不可 | 退職連絡代行+有給消化や未払い給与・残業代の請求交渉も可能osusume.portal.auone.jposusume.portal.auone.jp | 退職連絡代行+会社へのあらゆる交渉、慰謝料請求や訴訟対応まで可能 |
費用相場 | 約20,000〜30,000円前後 | 約25,000〜30,000円前後 | 約50,000円以上(内容によっては10万円超も) |
主な例 | 一般の退職代行会社(例:○○退職代行サービスなど) | 労働組合運営サービス(例:退職代行ガーディアンkigyolog.comkigyolog.com) | 法律事務所の退職代行(例:弁護士法人○○の退職代行) |
表: 退職代行サービスの種類ごとの特徴比較
この表から分かるように、費用面だけを見ると民間企業型が最も安い傾向にあります。
しかし、違法リスクや交渉力の点では労働組合型や弁護士型に軍配が上がります。
特に退職代行ガーディアンのような労働組合運営サービスは、費用も約3万円と手頃でありながら会社との交渉権限を持っているため安心感がありますkigyolog.comkigyolog.com。
一方、弁護士による退職代行は法的トラブルへの備えとしては最強ですが、費用が高額になりがちです。



「とにかく安く済ませたい」のか「多少費用が増えても万全を期したい」のか、自分の優先順位によって選択すると良いでしょう。
費用の準備としては、退職前に必要な資金をシミュレーションしておくことも大事です。
退職代行費用に加え、無収入期間の生活費や転職活動費、社会保険の任意継続や国民年金の支払いなどを計算し、足りなければ退職前に残業代請求や副業で少しでも蓄えておく工夫も考えましょう。
幸い、退職代行サービスの利用そのものに違法性はなく、依頼者が罰せられることはありませんasahi.com。



費用さえクリアできれば利用自体は問題ありませんので、計画的な貯金と適切な業者選びで金銭的ハードルを乗り越えましょう。
6: 法的リスク(非弁行為)の可能性
退職代行サービスには法的なリスクも潜んでいます。
具体的には、弁護士資格のない民間業者が会社と交渉ごとを行った場合、「非弁行為(無資格者による法律事務)」として弁護士法違反に該当する恐れがあるのですtoben.or.jp。
例えば、退職代行業者が本人に代わって会社に「残業代を支払ってください」と交渉したり、退職日の調整や有給消化について会社側とやり取りしたりする行為は、本来弁護士か労働組合にしか認められていない行為ですtoben.or.jposusume.portal.auone.jp。
実際に東京弁護士会は「退職代行サービスには非弁行為が含まれる場合がある」と異例の注意喚起をしています(2023年)asahi.com。



極端な場合、悪質な業者が逮捕されたり業務停止に追い込まれる可能性もゼロではありません。
利用者本人がただちに罰せられることはありませんがtoben.or.jproudou-pro.com、法に反する手続きが行われればトラブルが拡大するリスクがあります。
例えば、業者が違法な交渉を行った結果、会社側が「そんな退職は無効だ」と主張してきたり、支払われるはずの未払い残業代が結局支払われなかったりするケースも考えられますosusume.portal.auone.jposusume.portal.auone.jp。



事実、弁護士でない退職代行会社が違法な交渉を行い問題がこじれた例や、利用者が追加の法的手続きを余儀なくされた例も報じられています。
また、会社側が



「代理人とは話さない。本人が来い」
と突っぱねてくる場合、弁護士資格のない業者はそれ以上強く出られず、依頼者が不利な状況に陥る可能性もあります。
対策
法的リスクを避ける一番の策は、信頼できる弁護士または労働組合が運営する退職代行サービスを選ぶことですrouki.help。



弁護士が直接対応するサービスであれば、会社との交渉や法的手続きもすべて任せられるため違法性の心配がありません。
また、労働組合運営(合同労組)の退職代行も団体交渉権に基づき違法なく会社と交渉が可能です。
例えば先述した退職代行ガーディアンは労働組合によるサービスであり、東京都労働委員会に認証された適法な団体が運営しています。
そのため有給消化の交渉や未払い賃金の請求なども安心して任せることができ、「違法な非弁行為ではないか」と心配する必要がありません。



選択に迷ったら「弁護士監修」「労働組合運営」と明記されたサービスを優先しましょう。
当サイトとしては、労働組合運営の退職代行ガーディアンがおすすめ。
もし民間企業型の退職代行を利用する場合は、業者の権限外のことを期待しすぎないことが大切です。
たとえば「会社が退職を認めてくれない場合に法的に対処してほしい」などは、弁護士でない業者には対応できません。



その際は労働基準監督署への相談や弁護士への個別依頼が必要になることも覚悟しましょう。
依頼前の無料相談などで「残業代請求や有給取得交渉はできますか?」と質問し、明確に答えられない業者は避けた方が無難です。
さらに、契約内容をよく読み、非弁リスクについて注意事項が記載されているか確認することも有用です。



「当社は違法な交渉行為は行いません」と堂々と記載している業者であれば、逆に信頼がおけるでしょう。
要は、法律の範囲内で動いてくれる適切なサービスを選ぶことがリスク回避につながります。



自分のケースで交渉が必要になりそうかどうかを見極め、必要なら労組型・弁護士型をチョイスすることをおすすめします。
7: 悪質な退職代行業者によるトラブル
退職代行サービスの需要が高まる中、残念ながら悪質な業者も存在します。
中には「退職代行」をうたいながら実態はずさんな対応だったり、依頼料を受け取った途端に連絡が取れなくなったりする詐欺まがいのケースも報告されていますosusume.portal.auone.jp。
例えば、料金を前払いしたのに業者が音信不通になり退職手続きが進まないといった被害例ですosusume.portal.auone.jp。
また極端な例では、依頼者の個人情報を悪用されるリスクすら指摘されています。



新興の小規模業者の中には、十分な実績や企業体力がないまま参入しているところもあり、「退職のプロ」を装いつつ誠意に欠ける対応をするところもあるようです。
さらに、悪質とまでは言えなくてもサービス品質が低い業者にも注意が必要です。
たとえば連絡のレスポンスが極端に遅かったり、依頼したのに会社への連絡が遅延してトラブルになったケース、相談段階では優しかったのに依頼後のフォローが手薄だった等の苦情がネット上に散見されます。
「退職代行失敗」といったキーワードで検索すると、
など、サービス不足による失敗事例がいくつもヒットします。



このようにピンからキリまで玉石混交の業界ですので、運悪くハズレ業者に当たってしまうとお金と時間を無駄にするだけでなく、退職自体がスムーズにできず精神的にも追い詰められてしまいます。
対策
悪質業者に引っかからないためには、事前のリサーチが欠かせません。



具体的には以下のポイントに注意しましょう。
- 評判・口コミを確認: インターネット上でその業者名を検索し、利用者の口コミや体験談をチェックします。あまりに好意的な口コミばかりの場合は自作自演の可能性があるため、複数のサイトやSNSを横断的に見て総合判断しましょう。「失敗した」「連絡が来ない」等のネガティブな声が多い業者は避けるべきです。
- 運営母体と実績: ホームページに運営会社名や所在地、代表者名が明記されているか確認します。会社の法人格があり、過去にメディア掲載実績や◯◯件以上の退職成功実績など具体的な数字を出しているところは信頼性が高い傾向です。逆に運営者が不明瞭だったり、「法律の専門家がサポート」と曖昧な表現だけの場合は注意が必要です。
- 料金システム: 料金が極端に安すぎる(1万円以下など)業者や、逆に高額すぎる業者も警戒しましょう。追加料金の有無も重要です。例えば「基本料金は安いが、有給交渉や書類手配はオプションで追加費用」という場合、総額で高くつくことがあります。明朗会計で「追加料金なし」と明記されたサービスが安心です。
- 問い合わせ対応: 依頼前の問い合わせ段階での対応を観察しましょう。メールやLINEで質問した際に返信が遅かったり不明点に答えを濁すようなら、その業者に任せた後も不安が残ります。問い合わせ24時間OKや即日対応を謳っているなら、深夜でも一度質問してみて反応速度を見るのも一つの手です。
- 所属団体や監修弁護士: 労働組合に加盟している、または顧問弁護士の氏名を出している業者は一定の信頼材料になります。東京都労働委員会認証の労働組合が運営と書かれていればその点は安心ですし、「◯◯弁護士法人監修」などの記載があると違法行為への抑止力になるでしょう。
これらの点を総合して、信頼度の高い業者を選ぶことが最大の対策です。
また、契約書や利用規約をよく読み、不審な条項がないか確認しましょう。



例:「万一退職できなくても返金しない」「個人情報を第三者に提供する場合がある」等。
少しでも怪しいと感じたら、その業者は避けて別の候補を探す勇気も必要です。
8: 感謝や別れの挨拶ができず後悔が残る
退職代行サービスを使うことで、お世話になった人に直接感謝や別れの挨拶ができないまま職場を去ることになります。
円満退社であれば花束をもらって送別会…という場面もありますが、退職代行を利用するケースではそういったセレモニーは一切ありません。
特に、尊敬していた上司や仲の良かった先輩・同僚に正式なお別れを伝えられないことを心残りに感じる人は少なくありません。



「本当は直接お礼を言いたかった」
「最後に顔を見て挨拶したかった」
という思いを抱えたまま去ることになるため、後々までモヤモヤが残るケースがあるのです。
実際、退職代行を利用した人たちの声を集めると、「退職自体はできてホッとしたけど、挨拶できなかったのが心残り」という声がよく聞かれます。
また、ある人材業界の専門家は「退職代行を使った人の8〜9割が何らかの後悔を感じている」と指摘していますlogmi.jplogmi.jp。
その“後悔”の中身として、



「ちゃんとお世話になった人に直接礼を尽くせなかった」
という点を挙げる人が多いようです。



「逃げるように辞めてしまった」という引け目から、せっかく仲の良かった同僚ともそのまま疎遠になってしまうケースもあります。
さらに、会社に置いてきた私物すら取りに行けずじまいで終わることもあります。
デスクに写真立てやマグカップを置いていたけど、取りに行けないまま処分されてしまった…という話も耳にします。



それも含め、「きちんとお別れできなかった」という喪失感につながるのでしょう。
対策
この後悔を最小限にするには、代替手段で感謝と挨拶の気持ちを伝える努力をしましょう。
前述のデメリット1の対策でも触れましたが、退職後にメールや手紙でお礼を伝えることは可能です。
特にお世話になった上司や先輩には、丁寧な手紙を書いてみるのも良いでしょう。



直接ではなくても気持ちは伝えられますし、相手もきっと理解してくれるはずです。
また、共通の知人を介してメッセージを伝えてもらう方法もあります。
同僚経由で「○○さんが『本当にお世話になりましたと伝えてください』と言っていたよ」と伝われば、相手も救われるかもしれません。
SNSを活用するのも手です。たとえば職場の人とも繋がっているSNS(FacebookやLinkedInなど)があれば、退職の報告と感謝のメッセージを投稿することで間接的に挨拶を伝えることもできます。
私物に関しては、退職代行業者に代理で回収してもらうこともできます。
あらかじめ「デスクに私物があります」と伝えておけば、後日郵送してもらえるケースがほとんどです。
受け取った私物を目にしたとき、会社での日々を思い出して少し寂しくなるかもしれません。



しかし、その感情ときちんと向き合うことで次のステップへ進む区切りにもなるでしょう。
いずれにせよ、完全に悔いをゼロにするのは難しいかもしれませんが、「ありがとう」「さようなら」の気持ちだけは何らかの形で示すことで後悔を和らげることができます。



自分なりのけじめをつけて、新しい人生へ踏み出しましょう。
9: 罪悪感・自己嫌悪など精神的ストレス
退職代行サービスを利用した多くの人が、その直後に安堵感と同時に強い罪悪感を抱くと言われていますjcib.co.jp。
実際、退職が成立して



「やっと終わった…」
という解放感を得る一方で、



「自分はなんて情けないんだ。直接言えなかった…」
といった自己嫌悪に苛まれるケースが非常に多いのです。
退職代行利用者の心理状態を分析した記事によれば、利用後は以下のような複雑な感情に揺れ動くとされていますjcib.co.jpjcib.co.jp。
- 安堵感: 「会社に行かなくて済む」「あの地獄から解放された」という安心感。
- 罪悪感: 「きちんと自分の口で伝えられなかった」「周囲に迷惑をかけてしまった」という後ろめたさ。
- 自己否定感: 「結局自分は弱い人間だ」「最後まで逃げてしまった」という自己嫌悪。
- 将来への不安: 「こんな辞め方をして、この先ちゃんと働いていけるのだろうか」というキャリアへの懸念。
このようにネガティブな感情が渦巻き、精神的に不安定になる場合があります。



特に真面目で責任感の強い人ほど、周囲に迷惑をかけたことへの罪悪感が大きくなりやすいと言えます。
退職代行を使うまでに散々悩んで葛藤していた人ほど、



「本当にこれで良かったのか…」
と自問自答してしまうのです。
対策
まず知っておいてほしいのは、このような感情を抱くのは決してあなただけではないということです。
多くの退職代行利用者が程度の差こそあれ似た経験をしています。
ですから、



「自分だけ弱いのだ」
「情けない人間だ」
と過度に自分を責めないでください。



むしろ、そう感じるということはあなたが本来とても責任感が強く、周囲を大切に思う優しい人である証拠でもあります。
その上で、具体的な対策としてはアフターケアに時間をかけることが大切です。
退職後、しばらくは心の整理期間と捉えましょう。
安堵感と罪悪感の両方を一度しっかり認め、自分の中で整理するプロセスが必要です。



「あの会社は自分には本当に合わなかった」
「だから辞めるしかなかったんだ」
と自分に言い聞かせて納得する作業がいります。
そして、「なぜ退職代行を選ぶしかなかったのか」を冷静に分析し、職場環境や自分の限界についてしっかり言語化してみましょう。



それによって自分を客観視し、必要以上に自分を責めることを防ぐ効果があります。
また、信頼できる友人や家族に気持ちを聞いてもらうのも有効です。
誰かに話すことで心が軽くなりますし、「大変だったね、よく頑張ったね」と言ってもらえるだけで救われるものです。
場合によってはプロのカウンセラーやメンタルヘルスの専門家に相談することも検討してください。



短期間でもカウンセリングを受ければ、罪悪感を手放すヒントが得られるかもしれません。
さらに、前向きな行動を少しずつ始めるのも大事です。
例えば転職活動の準備をしたり、新しいスキルの勉強を始めたりして、「次」に目を向けるようにしましょう。
そうすることで、「自分は逃げたけど、これから挽回すればいいんだ」と建設的に考えられるようになります。



過去をくよくよ悔いるより未来志向になることで、自己嫌悪の沼から抜け出しやすくなるでしょうjcib.co.jpjcib.co.jp。
そして忘れないでほしいのは、退職代行を使ってでも辞めなければ、あなた自身が壊れていたかもしれないという事実です。
そこまで追い詰められた状況だったからこその決断だったはずです。
ですから、「あれは最善の選択だった」と最終的には自分を肯定してあげてください。



罪悪感に押しつぶされず、「次こそはもっと良い環境で頑張ろう」という前向きな気持ちで再出発しましょう。
10: 想定外のトラブルが発生する可能性
退職代行サービスを使えばすべてがスムーズに解決…と言いたいところですが、現実には想定外のトラブルが起こるケースもあります。



いくつか例を挙げてみましょう。
- 会社から直接連絡が来る: 退職代行業者は依頼時に「今後は本人に直接連絡しないでください」と会社に伝えてくれます。しかしそれには法的強制力がないため、会社側が無視して本人に連絡してくる可能性があります。特に上司や人事担当が納得していない場合、「電話でもいいから一度話せないか?」と連絡が来たり、ひどい時には自宅や実家に書類を届ける名目で訪問してきたりするケースも報告されています。突然電話が鳴ったり家の呼び鈴が鳴ったりすれば、大きなストレスになるでしょう。
- 退職関連書類が送られてこない: 通常、退職後には会社から離職票や源泉徴収票などの必要書類が郵送されてきます。しかし悪質な会社だと、退職代行で辞めた社員に腹を立てて書類の発送を遅らせたり放置したりする場合があります。離職票が手元にないと失業給付の手続きができず困りますし、源泉徴収票がないと年末調整や確定申告で支障が出ます。これらが期限までに届かないと、こちらから会社に催促しなければならず、結局関わりが続いてしまうことになります。
- 即日退職できない場合がある: 多くの退職代行サービスは「即日退職可能」と宣伝しています。しかし法的には退職の意思表示から2週間後に正式退職となるため、会社の合意なしに本当にその日限りで雇用契約が切れるわけではありません。ほとんどのケースで有給休暇消化や欠勤扱いで2週間は会社籍が残ります。その間、会社から書類上呼び出しを受けたりする可能性もゼロではなく、「今日で辞めたはずなのにまだスッキリしない」という状況に陥ることがあります。
- 懲戒解雇・損害賠償のリスク(極めて稀): 正当に退職手続きを踏めば懲戒解雇になることは普通ありませんが、例えば無断欠勤同然の形になってしまったり、重大なプロジェクトを放置して会社に損害を与えた場合、会社が強硬手段に出てくる可能性もゼロではありません。実際には労働者の正当な退職の権利が認められるので訴えられても勝てるケースが多いですが、トラブルに巻き込まれること自体が大きなストレスです。
- 転職先への悪評流布: 前述のように、退職代行で辞めた社員に憤慨した元上司が転職先に悪い噂を流すという報告も一部あります。本来あってはならない行為ですが、業界が狭い場合や取引先同士が繋がっている場合、噂が伝わってしまうことも考えられます。これも本人にとっては予想外のダメージでしょう。
対策
まず、想定外のことも起こり得ると心構えしておくことが重要です。



その上で以下のような対策を講じましょう。
- 会社からの連絡への備え: 退職代行利用後に会社から電話やメールが来ても、毅然と対応することが大切です。無理に応じる義務はありません。業者から「今後は直接連絡しないよう」伝えてもらっているはずなので、「申し訳ありませんが、退職に関することはすべて代理人にお任せしています」と繰り返し伝えましょう。実家に来そうな雰囲気がある場合は、家族にも事情を説明して協力をお願いしておくと安心です。突然来訪があっても対応しないよう伝えておきましょう。それでもしつこい場合は、迷わず労働基準監督署や弁護士に相談してくださいroudou-pro.com。
- 書類の催促: 退職後、2週間程度待っても必要書類が届かない場合は、遠慮せず会社へ督促しましょう。電話より証拠の残るメールや内容証明郵便で、「◯月◯日付で退職した◯◯です。○○の書類が未着ですので送付をお願いします」と送ります。退職代行業者によっては、書類の受け取り代行や催促までフォローしてくれるところもありますので、契約時に確認すると良いでしょう。万一会社が意図的に送付を拒んでいるようなら、社労士や弁護士に相談して法的措置を検討します。
- 即日退職の誤解に注意: サービスの宣伝文句に惑わされず、法律上2週間は必要なことを理解しておきましょうosusume.portal.auone.jp。その間は有給消化などで出勤しなくて済むとはいえ、社会保険や雇用保険上は在職しています。したがって、「今日でもう完全に会社と縁が切れた!」と油断せず、2週間は会社とのやり取りが発生する可能性があると考えてください。ただし通常は代行業者が間に入ってくれるので、自分から連絡する必要はありません。
- 重大な引き継ぎ事項の事前対処: 懲戒解雇や損害賠償など極端な事態を避けるため、退職前に迷惑がかかりそうな案件は整理しておくことが肝要です。例えば重要プロジェクトの資料は揃えて共有フォルダに置く、取引先には別の担当者から引き継ぎ連絡を入れてもらうよう依頼するといった配慮です。法律的には2週間経てば退職自由ですが、常識的な範囲で会社の損失を減らす努力を見せておけば、相手も無茶な報復はしにくくなります。
- 前職の人間関係の整理: 悪評リスクに関しては、自分でコントロールするのは難しい部分です。しかし円満な人間関係をできるだけ維持して辞める努力(デメリット1や8の対策参照)をすることが、長い目で見れば悪評流布の防止につながります。万一、元上司が転職先にネガティブなことを伝えた場合でも、あなたが新天地で真摯に働けば周囲も評価してくれるでしょう。過度に恐れるより、「何を言われても自分の努力で信頼を勝ち取る」くらいの気概で臨んでください。
このように、想定外のトラブルも事前の準備と心構えでかなり対処可能です。
重要なのは「退職代行を使えば100%安心」ではなく、「多少の誤算があっても慌てず対処する」という冷静さを持つことです。



最悪のシナリオまでシミュレーションしておけば、いざというとき落ち着いて対応できるでしょう。
対策さえ押さえれば退職代行サービスは心強い味方
以上、退職代行サービスの代表的なデメリット10項目について見てきました。
かなりネガティブな点も率直に述べましたが、最後にお伝えしたいのは「適切な対策をとれば、退職代行サービスは十分に活用できる」ということです。
実際、ブラック企業に苦しむ労働者にとって、退職代行サービスは合法的に職場から脱出するための心強い味方となり得ます。
事実、厚生労働省の統計によれば日本では毎年数万人が自己都合退職していますし、その背景にはハラスメントや違法な長時間労働など深刻な理由も多く含まれています。



そのようなケースで無理に自力で退職交渉をしようとして心が折れてしまうくらいなら、プロの手を借りるのは賢明な選択肢でしょう。
大切なのは、本記事で挙げたデメリットを事前に理解し、「転ばぬ先の杖」として対策を講じておくことです。
職場との円満な別れ方を模索し、信頼できる代行業者を選び、法律知識も頭に入れて準備万端で臨めば、退職代行サービスは安全かつ効果的にあなたを次のステージへ送り出してくれます。



「対策さえすれば大丈夫」と心に留めて、不必要に恐れすぎず、しかし油断もせずに賢くサービスを活用してください。
私自身、退職代行サービスがもう少し早く世間に浸透していたら、20代の苦しい時期に利用したかもしれません。
そしてきっと、そのときは色々な不安や葛藤を感じただろうと思います。本記事で取り上げたデメリットと対策の数々は、まさにその不安を乗り越えるための知恵です。
ブラック企業を退職することは決して悪いことではありません。
あなたには健全な職場で働く権利があります。
その権利を取り戻す手段として、退職代行サービスは一つの有力な選択肢です。



十分な準備をした上で利用すれば、きっと明るい未来への第一歩となるでしょう。
人生の次章へ踏み出す勇気を持つあなたを、心から応援しています。
新しい環境で思い切り自分らしく働ける日が来ることを願ってやみません。



退職代行サービスのデメリットは対策次第で乗り越えられる——そう確信して、一歩踏み出してみてください。
よくある質問
- 退職代行を使ったことが転職活動で不利になることはありますか?
-
必ずしも不利になるとは限りませんが、説明力は問われます。
退職代行の利用は履歴書に書く必要はありません。ただし、短期離職などの経歴は採用担当者に注目されやすく、面接時に理由を問われる可能性があります。重要なのは、「なぜそうせざるを得なかったのか」「次の職場ではどう働きたいか」を明確に伝えることです。実際、採用判断に影響したと回答した企業は全体の約26%(東京商工リサーチ, 2024)にとどまります。 - 退職代行を使ったら失業保険がもらえなくなるって本当ですか?
-
正当な退職手続きを踏めば、失業給付の対象になります。
退職代行の利用そのものが失業保険の支給に影響することはありません。ただし、自己都合退職の場合は給付開始までに通常7日間の待期+2〜3ヶ月の給付制限があります。会社都合退職扱いを希望する場合は、ハラスメントや過重労働の証拠が必要です。退職理由の記載内容と事実が食い違うと給付審査でトラブルになることもあるため、事前に退職理由を明確にしておきましょう。 - 会社から本人に連絡が来ることは本当に止められるのですか?
-
法的拘束力はないため、完全には防げません。
退職代行業者は「本人に直接連絡しないでください」と会社に伝えますが、これに強制力はありません。特に弁護士や労働組合以外の業者の場合、会社が連絡を強行するケースもあります。法的対応力を求めるなら、弁護士型か労組型の代行サービスを選ぶことがリスク回避に有効です。 - 周囲や家族にバレずに退職代行を使う方法はありますか?
-
事前に配慮すればバレにくくなります。
会社から自宅へ連絡や書類が届く可能性があるため、退職代行業者に「すべて郵送は指定住所で」と依頼しておきましょう。さらに、携帯番号やメールの変更を事前に行い、旧連絡先を無効化するのも有効です。実家暮らしの場合は、家族への事前説明または連絡を制限するよう業者に頼むことで、プライバシーを守りやすくなります。 - 海外でも退職代行サービスは使われているのですか?
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欧米では一般的ではなく、日本独自の文化的対応です。
アメリカや欧州では、労働者の権利意識が強く、退職は本人が毅然と伝えることが通例です。『Journal of Vocational Behavior』(2021)のレビューでは、労働者の自己効力感と離職行動に関する研究で「中間介在者を立てる行動」はほとんど観測されていません。退職代行が広まる背景には、日本特有の同調圧力や上下関係の強さが影響しています。 - 退職代行を使っても有給はちゃんと消化できますか?
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労働基準法により、原則として可能です。
労働者は退職時でも有給休暇を取得する権利があります(労基法第39条)。ただし、民間の退職代行では会社側が交渉を拒否した場合に強制力がありません。有給消化の確実性を高めるには、交渉権限を持つ労働組合運営型や弁護士型の代行業者を選ぶことが最も安全です。 - ブラック企業ではそもそも退職を認めてもらえないのでは?
-
退職の意思表示から2週間で法的に退職は成立します。
民法627条に基づき、退職の意思を明確に伝えてから14日が経過すれば、会社の同意がなくても契約終了とみなされます。退職届を受け取らない、脅すなどの違法行為は無効です。実務的には、退職代行業者を通じて証拠が残る形(内容証明郵便やLINEのログなど)で通知することが有効な手段となります。 - 退職代行後に会社から嫌がらせを受けることはありますか?
-
稀ですがゼロではありません。法的対応の準備を。
「連絡禁止を無視」「私物の返却拒否」などのトラブルが報告されています。退職代行業者のフォロー範囲外で問題が起きた場合は、労働基準監督署または弁護士への相談が必要です。実際に2024年の消費生活センターには退職代行に関連する苦情が100件以上寄せられています(国民生活センター報告)。法的知識を備えておくことが安心材料になります。 - 退職代行で辞めると社内の評判が悪くなりませんか?
-
一部ではそう見られる可能性はありますが、関係は継続しません。
「礼儀に欠ける」「無責任」という印象を持たれるリスクはあります。ただし退職後に元職場と関わる必要は基本的にありません。後ろめたさを和らげるには、退職代行に感謝の言葉や謝罪メッセージを託す、または退職後にメールで挨拶を送るといった配慮が有効です。 - 結局、退職代行を使うメリットよりデメリットの方が大きいのでは?
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適切に使えば、メリットがデメリットを上回ります。
最大のメリットは、精神的ダメージを回避して確実に辞められること。うつ状態で退職交渉に踏み込めず、退職が遅れることで状態が悪化するケースもあります(WHO, 2022)。もちろんデメリットもありますが、事前準備と信頼できる業者の選定でほとんどがカバー可能です。本記事で紹介した対策を実行すれば、安心して新しい人生を始めることができます。 - 退職代行って法律的にグレーじゃないの?
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弁護士以外の業者が法律行為を行うと非弁行為になります。
「退職の意思を伝えるだけ」であれば問題ありません。ただし、業者が有給の交渉や未払い残業代請求などを代行すると、弁護士法違反(非弁行為)になる恐れがあります。2022年には、非弁行為に該当するとして業務停止命令が下された事例もあります。リスクを避けるには、労組運営型か弁護士運営型のサービスを選びましょう。 - 引き継ぎが一切できない状態で辞めたらトラブルになりますか?
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引き継ぎ義務は法的には限定的です。
法律上、退職者には明文化された「引き継ぎ義務」は存在しません(民法第627条)。ただし、職場に混乱が生じた場合に「損害賠償」を請求される可能性はゼロではなく、2020年には東京地裁で「業務放棄による損害」の一部が認められた事例もあります。トラブル回避には、業者を通じて最低限の申し送りを伝えるだけでも十分です。 - 退職代行で辞めた後、会社の備品を返却し忘れていたらどうなる?
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故意でなければ大きな問題にはなりません。
会社から郵送返却の案内がある場合は、指定通り返送すれば問題ありません。もしトラブルが起きた場合でも、私物の着払い対応や期日調整で解決するケースが大半です。ただし、パソコンや顧客情報の入った媒体など、重大な機密を含む備品を放置すると法的責任が生じる可能性があるので注意しましょう。
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