この記事は、以下のような人に向けた記事となっています。
筋肥大のメカニズムを知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
筋肉を効率的に成長させるための基本的な刺激で、高重量・低回数のトレーニングが効果的。
エキセントリック動作を取り入れることで最大化され、筋肥大を促進する重要な要素。
低重量・高回数のトレーニングや血流制限トレーニングによって引き起こされ、短期間で筋肥大を加速。
筋肥大のメカニズムに興味はありませんか?
筋肉を効果的に増やすには、機械的張力、筋肉の損傷、代謝的ストレスの3つの刺激を適切に与えることが不可欠です。
本記事では、これらの刺激の科学的な背景や、筋肉の成長を最大化するための具体的なトレーニング方法を紹介します。
効率的に筋肉を増やしたい方、トレーニング効果を最大化したい方はぜひ最後まで読んでみてください。
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はじめに
ここではこの記事の概要について、下記の内容で触れます。
記事の目的と概要
筋肥大は、多くの人々が筋トレを行う主な目的の一つです。
他には、心身の健康のため、脳機能の向上の為、競技のため…色々ですね。
筋肥大を効果的に達成するためには、下記の3つの刺激が必要です。
筋肥大に必要な3つの刺激
- 機械的張力
- 筋肉の損傷
- 代謝的ストレス
以下は、筋肥大に必要な3つの刺激(機械的張力、筋肉の損傷、代謝的ストレス)の特徴を比較した表です。
特徴 | 機械的張力 | 筋肉の損傷 | 代謝的ストレス |
---|---|---|---|
主要な定義 | 筋繊維に対する持続的な力や負荷 | 筋繊維の微小な損傷や裂け目の発生 | 筋肉内での代謝産物の蓄積によるストレス |
生理学的メカニズム | mTOR経路の活性化による筋タンパク質合成の促進 | サテライト細胞の活性化と筋繊維の修復・再生 | HIF-1αの活性化と成長因子の活性化 |
筋肥大への影響 | 筋繊維の伸長と肥大を直接促進 | 筋繊維の修復と新生により筋量の増加 | 筋タンパク質合成の増加と筋繊維の太さの向上 |
関連するシグナル伝達経路 | mTOR経路、PI3K/Akt経路 | mTOR経路、IGF-1/PI3K/Akt経路 | HIF-1α、AMPK経路、乳酸などの代謝産物によるシグナル |
具体的なトレーニング方法 | 高重量・低回数のウェイトトレーニング、レジスタンストレーニング | エキセントリック収縮を含むトレーニング、ダウンヒルランニング | 高回数・低重量のトレーニング、ドロップセット、スーパーセット |
長所 | 筋力と筋量の両方を効果的に向上させる | 筋肉の修復能力を高め、持続的な成長を促進 | 短時間で高いトレーニング効果を得やすい |
短所 | 過度な負荷は怪我のリスクを高める可能性 | 過度な損傷は回復を遅延させ、逆効果になる可能性 | 過度な代謝ストレスは筋肉疲労や損傷を引き起こす可能性 |
最適なバランス | 他の刺激と組み合わせて適切に取り入れることが重要 | 機械的張力や代謝的ストレスとバランス良く組み合わせる | 機械的張力や筋肉の損傷と適切にバランスを取ることが重要 |
筋肥大の基礎知識
筋肥大とは、筋肉のサイズが増加する現象を指します。
これは、筋繊維の増加や筋内の結合組織の強化によって達成されます。
筋肥大のメカニズムは複雑で、筋細胞のシグナル伝達やタンパク質合成が重要な役割を果たします。
一方、筋力増加は筋肉のパワーや持久力が向上することであり、必ずしも筋肥大と同義ではありません。
筋力増加には、神経系の適応や筋繊維の効率的な活用が関与します。
勘違いされがちですが、筋肥大と筋力は別。
例えば、世界最強クラスのパワーリフター・アナトリー氏は細身でありながら尋常ではない筋力を誇ります(2023年時点でデッドリフト457kg)。
筋肥大に必要な3つの刺激とは
ここでは筋肥大に必要な3つの刺激について、下記の内容で触れます。
どれが一番大事か、という話ではなく、この3つの刺激をバランスよく取り入れていくことが重要。
2019年にポーランドの研究機関で行われた研究では、筋肥大を促進するために高負荷トレーニングと低負荷トレーニングを併用することが効果的であることがわかっています。
この研究は、30件の関連研究を調査し、時間効率の高いトレーニング法として、ドロップセットやサルコプラズマ刺激トレーニングの有効性を確認しました。
また、アクセントをつけたエキセントリックトレーニングが機械的張力を高めるために推奨されています。
サルコプラズマ刺激トレーニング(筋形質刺激トレーニング)
サルコプラズマ刺激トレーニングとは、筋肉の内部でエネルギーを貯蔵する「サルコプラズマ」を増加させ、筋肉のサイズを大きくすることを目的としたトレーニング法です。
この方法では、比較的軽い負荷で多くの回数を行うことで、代謝ストレスを強く感じさせ、持続的なパンプを促進します。
これにより、筋肉細胞のサルコプラズマの容量が増加し、筋肉の見た目が大きくなります。
要素①:機械的張力(Mechanical Tension)
機械的張力の定義
機械的張力とは、筋肉に対して加えられる物理的な負荷のことを指します。
これは、筋繊維が収縮や伸長を行う際に発生する力であり、筋肥大の最も基本的かつ重要な刺激です。
機械的張力は、筋肉が外部からの負荷に対して適応し、筋繊維が太くなるための初期段階となります。
機械的張力のメカニズム
筋細胞内では、mTOR(mammalian Target of Rapamycin)経路が機械的張力の信号を受け取り、筋タンパク質合成を促進します。
mTOR経路の活性化により、筋細胞はアミノ酸を効率的に取り込み、筋繊維の修復と成長を行います。
筋繊維に対する運動や負荷により、機械的張力が生じる。
筋細胞が機械的張力の信号を感知する。
機械的張力の信号により、mTOR(mammalian Target of Rapamycin)経路が活性化される。
mTOR経路の活性化により、筋細胞がアミノ酸の取り込みを効率的に行うようになる。
取り込まれたアミノ酸を基に、筋タンパク質の合成が促進される。
合成された筋タンパク質により、筋繊維の修復と成長が行われる。
2019年に台湾の研究機関で行われた研究では、Shan-Shan Lin博士とYa-Wen Liu博士らが、機械的ストレッチが筋細胞でmTORの活性化を誘発し、ホスファチジン酸(PA)を豊富に含むマクロピノソームにmTORが結合することを発見しました。
機械的張力を最大化するトレーニング方法
高重量・低回数のトレーニングは、機械的張力を最大化する効果的な方法です。
具体的には、1セットあたり6〜12回の反復を3〜5セット程度。
エキセントリック動作(筋肉が伸張しながら力を発揮する動作)を取り入れることで、さらに多くの張力を筋肉にかけることが可能です。
当サイトで推奨しているコンパウンドエクササイズ(複数の関節を使用する種目)を選ぶことで、より多くの筋繊維に負荷をかけることができます。
要素②:筋肉の損傷(Muscle Damage)
筋肉の損傷の定義
筋肉の損傷とは、筋繊維に微細な損傷が生じることを指します。
特に、エキセントリック収縮(筋肉が伸長しながら収縮する動作)時に多く発生します。
これらの微細な損傷は、筋肥大を促進するための重要な刺激となります。
筋肉損傷時の修復プロセス
筋肉損傷が発生すると、サテライト細胞が活性化され、損傷した筋繊維の修復と新しい筋繊維の形成が促進されます。
衛星細胞(サテライト細胞)
衛星細胞(サテライト細胞)とは、主に骨格筋に存在する幹細胞の一種で、筋肉の成長や修復に欠かせない役割を担っています。
筋繊維が運動や外傷などで損傷すると、衛星細胞が活性化され、増殖・分化して新しい筋細胞を形成します。
この過程により、筋肉の再生が促進されます。
さらに、衛星細胞は筋肥大(筋肉のサイズ増加)にも深く関与しています。
筋トレなどの負荷がかかると、筋繊維に微細な損傷が生じます。
これに応答して衛星細胞が活性化され、筋繊維に融合して新たな核を提供します。
筋繊維は多核細胞であり、追加の核が増えることでタンパク質合成能力が向上し、筋肉量の増加が可能となります。
したがって、衛星細胞の役割は単に数を増やすことではなく、筋繊維自体の核数を増やすことで筋肥大を支えることにあります。
マッスルメモリー
マッスルメモリーとは、過去に筋肉を鍛えたことがある人が、筋トレを中断した後、再びトレーニングを再開した際に、筋肉が以前よりも速く効率的に成長する現象を指します。この現象は、筋肉に保存された「記憶」によって、筋肉の再生や肥大が促進されるためです。
具体的には、マッスルメモリーは、筋トレなどの運動によって衛星細胞が活性化し、筋繊維に新たな細胞核を提供することで起こります。筋繊維は多核細胞であり、一度筋繊維に融合した衛星細胞の核は永久的に残ると考えられています。これにより、筋肉を再度鍛える際に、以前よりも速くタンパク質合成が行われ、筋肥大が効率的に進行するのです。
このプロセスは、筋肉が萎縮しても細胞核が消失しないため、筋肉が再びトレーニングに反応する準備が整っている状態を保持できるとされています。このため、マッスルメモリーは一時的にトレーニングを中断した後でも、以前の筋肉量を素早く取り戻せる要因となります。
このプロセスは筋タンパク質の合成を増加させ、筋肥大につながります。
また、損傷部位での炎症反応が促進され、免疫細胞が集まって修復をサポートします。
ただし、過度な損傷は逆効果となるため、適度なトレーニングが重要です。
過度な運動や外傷により、筋繊維が損傷する。
筋損傷を感知したサテライト細胞が活性化される。
活性化されたサテライト細胞が損傷部位に移動し、既存の筋繊維を修復するとともに、新しい筋繊維を形成する。
修復および新生筋繊維の形成に伴い、筋タンパク質の合成が増加する。
筋タンパク質の増加により、筋繊維が太くなり、筋肥大が起こる。
損傷部位で炎症反応が起こり、免疫細胞(マクロファージなど)が集まって修復をサポートする。
過度な損傷は逆効果となるため、適度な負荷と休息をバランスよく取り入れたトレーニングが重要である。
筋肉損傷を促すトレーニング方法
エキセントリックトレーニングは、筋肉損傷を効果的に引き起こす方法です。
具体的には、スクワットやデッドリフト、ベンチプレスなどの多関節エクササイズを取り入れ、エキセントリックフェーズを意識的にゆっくりと行うことが推奨されます。
また、高負荷・低速度の動作を行うことで、筋肉に微細な損傷を与えることが可能です。
適切なトレーニングボリュームと頻度も重要で、週に2〜3回のトレーニングが効果的とされています。
2014年にアメリカのオクラホマ州立大学で16名を対象に行われた研究では、6週間のエキセントリックオーバーロードトレーニングが筋損傷を引き起こし、その結果、長期的な筋肥大が見られることがわかっています。
トレーニングにより初期の筋損傷マーカー(CKやLDH)が増加しましたが、体が適応し、筋肉のパフォーマンスが向上することが確認されました。
この結果から、筋肉損傷が筋肥大に与える影響が明確に示されています。
要素③:代謝的ストレス(Metabolic Stress)
代謝的ストレスの定義
代謝的ストレスとは、筋肉が収縮する際に生じる代謝産物(例えば乳酸や一酸化窒素)の蓄積によるストレスを指します。
これは、血流が制限された状態で筋肉が働くことにより発生し、筋肉がエネルギー供給不足に陥ることで生じます。
この状態は、筋肥大を促進するための重要な刺激となります。
代謝的ストレスのメカニズム
代謝的ストレスが発生すると、筋肉内に酸性環境が形成されます。
この酸性環境では、ATP(アデノシン三リン酸)の供給が不足し、筋肉細胞は代謝産物に適応しようとします。
この過程で、ヒポキシア(酸素不足)が発生し、これが筋肉の成長を促進するシグナルを送ります。
具体的には、ヒポキシアはHIF-1α(Hypoxia-Inducible Factor 1-alpha)を活性化し、筋肉細胞の筋タンパク質合成を促進します。
また、代謝的ストレスは細胞内のpHを低下させ、成長因子の活性化を促します。
運動やその他の要因により、筋肉細胞内で代謝的ストレスが生じる。
代謝的ストレスにより、筋肉内のpHが低下し、酸性環境が形成される。
酸性環境下でATP(アデノシン三リン酸)の供給が不足する。
筋肉細胞は代謝産物に適応しようとする。
ATP不足により酸素供給が追いつかず、ヒポキシア状態が発生する。
ヒポキシアによりHIF-1αが活性化される。
活性化されたHIF-1αが筋肉細胞内で筋タンパク質の合成を促進するシグナルを送る。
代謝的ストレスによるpH低下が成長因子の活性化を促進する。
筋タンパク質合成の増加と成長因子の活性化により、筋肉の成長が促進される。
代謝的ストレスを促すトレーニング方法
低重量・高回数のトレーニングは、代謝的ストレスを効果的に引き起こす方法です。
具体的には、15〜20回の反復を3〜5セット行うことが推奨されます。
また、レストポーズ法(短い休息を挟みながら複数回の反復を行う方法)や血流制限トレーニング(BFR)も有効です。
BFRトレーニングでは、筋肉への血流を部分的に制限することで、代謝的ストレスを高め、筋肥大を促進します。
これにより、低重量でも高い筋肥大効果を得ることが可能です。
が、血流制限トレーニングはちゃんと資格をもったトレーナーさんの指導の下で行いましょう。
2018年にオーストラリアのビクトリア大学で行われた研究では、Jozo Grgic博士とBrad J. Schoenfeld博士らが、低負荷トレーニング(60%以下の1RM)でも高負荷トレーニング(60%以上の1RM)と同様に筋肥大が生じることを確認しました。
特に低負荷トレーニングでは、タイプI筋繊維の肥大が顕著であることが示され、これは代謝的ストレスによる影響が強いと考えられています。
3つの刺激を効果的に組み合わせる方法
筋肥大を最大化するためには、機械的張力、筋肉の損傷、代謝的ストレスの3つの刺激をバランスよく組み合わせることが重要です。
トレーニング周期を計画し、各刺激を適切なタイミングで取り入れることで、筋肉の成長を効果的に促進します。
オーバーロード原則を適用し、徐々に負荷を増加させることで、筋肉が継続的に適応し、成長を続けることが可能です。
ピリオダイゼーションというやつですね。
ピリオダイゼーション(周期的な負荷変動)
ピリオダイゼーション(周期的な負荷変動)は、トレーニングの強度や量を計画的に変化させることで、体が常に新しい刺激に適応し続けるようにする方法です。
これにより、筋力や持久力を最大限に高め、オーバートレーニングを防ぎます。
通常は、軽負荷・中負荷・高負荷の期間を組み合わせ、一定のサイクルでトレーニングを行います。
具体的な設計例として、以下のようなトレーニング周期を考慮します:
重量と回数を分けたトレーニング計画
週 | 狙う刺激 | 重量 | 回数 | 内容 |
---|---|---|---|---|
1週目 | 機械的ストレス | 高重量(85〜95% 1RM) | 低回数(3〜6回) | 機械的張力を最大化するために、短いセットと休息を組み合わせる。 |
2週目 | 筋肉損傷 | 中重量(70〜80% 1RM) | 中回数(6〜12回) | エキセントリックフェーズをゆっくり行い、筋繊維に継続的な損傷を与えることで成長を促進。 |
3週目 | 代謝的ストレス | 低重量(50〜60% 1RM) | 高回数(15〜20回) | 低負荷でも疲労蓄積を狙い、筋肉に長時間のストレスを与えることで筋肥大を誘発。 |
RM(Repetition Maximum)
RM(Repetition Maximum)とは、筋トレで特定の回数を最大限行える重量を表す指標です。
例えば、1RMは1回だけ持ち上げられる限界の重量を指し、10RMは10回持ち上げられる限界の重量を意味します。
1RMの70〜80%の重量は、1回だけ持ち上げられる重量の70〜80%の重さを指します。
ベンチプレスMAX1回が100kgの人の1RMの70〜80%の重量は、70〜80kgとなります。
一般的に8〜12回の反復が可能であり、筋肥大を目的としたトレーニングでよく使用されます。
このようにRMは、筋力や筋肥大のトレーニング計画を立てる際に重要な役割を果たします。
このように、トレーニング周期を計画的に設計することで、3つの刺激を効果的に組み合わせ、筋肥大を最大化することが可能です。
筋肥大を最大化するためのピリオダイゼーショントレーニングプログラム
具体例のコーナー。
ここでは筋肥大を最大化するためのピリオダイゼーショントレーニングプログラムについて、下記の内容で触れます。
フェーズ1 – 機械的張力を重視した高重量低回数トレーニング
- 目的:筋肉に強い張力を与え、筋繊維の成長を刺激。
- 期間:4週間
- 内容:
- ベンチプレス:5セット × 5回
- スクワット:5セット × 5回
- デッドリフト:5セット × 5回
- 休息時間:2~3分
フェーズ2 – 筋肉損傷を重視した中重量中回数トレーニング
- 目的:コントロールされた動作を行い、筋肉損傷を引き起こす。
- 期間:4週間
- 内容:
- ダンベルプレス:4セット × 8~10回
- バーベルスクワット:4セット × 8~10回
- バーベルロー:4セット × 8~10回
- 休息時間:1~2分
- エキセントリック動作:動作のネガティブフェーズをゆっくりと行う(3秒以上)
フェーズ3 – 代謝的ストレスを重視した高回数トレーニング
- 目的:代謝的ストレスを強化し、筋肉のパンプを促進。
- 期間:4週間
- 内容:
- レッグプレス:4セット × 15~20回
- バーベルカール:4セット × 15~20回
- ケーブルクロスオーバー:4セット × 15~20回
- 休息時間:30~60秒
- スーパーセット:異なる種目を連続で行い、ストレスを高める。
フェーズ4 – デローディングと回復
- 目的:筋肉と中枢神経系の回復を促進し、次のトレーニングサイクルに備える。
- 期間:1~2週間
- 内容:
- 軽い重量での全身トレーニング(50%の負荷、回数は8~10回程度)
- ストレッチとフォームチェック
- 休息時間を十分に取り、回復に焦点を当てる。
よくある質問
- 筋肉痛がないと筋肥大は起こらないのですか?
-
筋肉痛は筋繊維が損傷したことを示す一つのサインですが、筋肥大が必ず筋肉痛と結びつくわけではありません。
筋肉の成長は主に、機械的張力、筋肉の損傷、代謝的ストレスの3つの刺激に依存します。
筋肉痛がない場合でも、これらの刺激が十分に加わっていれば筋肥大は起こります。
重要なのは、トレーニングの質と十分な負荷をかけることです。
筋肉痛の有無だけにとらわれず、継続的なトレーニングと適切な栄養摂取が鍵となります。
- 代謝的ストレスを引き起こすトレーニング方法は?
-
代謝的ストレスは、筋肉がエネルギー不足や代謝産物の蓄積に直面することで生じます。
これを引き起こすには、低重量・高回数のトレーニングやレストポーズ法が有効です。
また、血流制限トレーニング(BFR)も代謝的ストレスを高める効果があります。
例えば、15〜20回の反復を3セット行うことで、筋肉に持続的なストレスを与え、代謝的ストレスを効果的に引き起こせます。
これにより、軽い重量でも筋肥大が促進される可能性が高まります。
- 筋肥大と筋力増加の違いは何ですか?
-
筋肥大は筋肉のサイズが大きくなることであり、主に筋繊維の肥大や筋内結合組織の強化によって達成されます。
一方、筋力増加は筋肉のパワーや効率の向上を意味し、神経系の適応が重要な役割を果たします。
筋肥大が必ずしも筋力増加につながるわけではなく、逆に筋力増加が必ずしも筋肥大を伴うわけではありません。
トレーニング目標に応じて、どちらを優先するかが変わってきますが、両者は相互に関連して成長することが多いです。
- 女性も筋肥大を目指すべきですか?
-
女性も筋肥大を目指すことは大いにメリットがあります。
筋肉をつけることで基礎代謝が上がり、脂肪燃焼が促進されます。
また、筋肉は姿勢の改善や日常生活のパフォーマンス向上にも役立ちます。
女性が「大きくなりすぎる」心配をすることがありますが、エストロゲンの影響で、男性のように極端な筋肥大が起こることは稀です。
適切なトレーニングと栄養管理で、理想的な体型を目指すことが可能です。
- 筋肥大に最適な栄養摂取は?
-
筋肥大には、タンパク質が最も重要です。体重1kgあたり1.6〜2.2gのタンパク質を毎日摂取することが推奨されます。
また、筋肉のエネルギー源として炭水化物も欠かせません。
トレーニング後には、速やかに炭水化物とタンパク質を補給することで、筋グリコーゲンの回復と筋タンパク質の合成を促進します。
さらに、オメガ3脂肪酸を含む良質な脂質を摂取することで、炎症を抑え、筋肉の回復をサポートします。
- エキセントリックトレーニングとは何ですか?
-
エキセントリックトレーニングは、筋肉が伸びながら力を発揮する動作のことです。
スクワットやベンチプレスでバーベルを下ろす動作が典型的なエキセントリック動作です。
この動作は、筋繊維に大きな負荷をかけ、筋肉の損傷を促します。
その結果、筋肉が修復される際に肥大が促進されます。
エキセントリック動作を意識的に取り入れることで、筋肥大の効率を高めることが可能です。
- 初心者はどのくらいの頻度で筋トレを行うべきですか?
-
これにより、筋肉に十分な刺激を与えながらも、回復のための時間を確保できます。
過度なトレーニングはオーバートレーニングを引き起こし、筋肉の回復を妨げるため注意が必要です。
最初のうちは、全身を均等に鍛えるプログラムを組み、適切なフォームを習得することが重要です。
- 筋肥大の効果が現れるまでの期間はどれくらいですか?
-
筋肥大の効果が感じられるまでの期間は個人差がありますが、通常は8〜12週間ほどの定期的なトレーニングで目に見える変化が現れます。
筋肥大は時間がかかるプロセスであり、トレーニングの一貫性と適切な栄養摂取が成功の鍵です。
短期間で大きな変化を期待せず、長期的な視点で筋肥大に取り組むことが重要です。
- 筋肉が成長するのはトレーニング中ではなく回復中なのは本当ですか?
-
はい、本当です。筋肉はトレーニング中に破壊され、回復中に成長します。
筋繊維が損傷すると、体はそれを修復し、より強く大きくするために筋タンパク質合成が促進されます。
このプロセスが筋肥大です。
十分な睡眠と栄養補給が筋肉の成長を最大化するためには不可欠です。
トレーニング後の48〜72時間は、筋肉の回復に集中することが推奨されます。
- 筋肥大を最大化するためにどのようにトレーニングを周期化すべきですか?
-
筋肥大を最大化するためには、トレーニングを周期化(ピリオダイゼーション)することが効果的です。
例えば、高重量・低回数の強度期、エキセントリック動作を重視する筋損傷期、代謝的ストレスを引き起こす低重量・高回数の期間を設けると、筋肉に多角的な刺激を与えることができます。
このようにトレーニング内容を定期的に変えることで、筋肉の適応を促し、持続的な成長が期待できます。
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